2011年4月15日金曜日

メルトダウンは(33)

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● asahi.com より



 原子炉をどう冷やすかということについてはこれまでいろいろな提案がなされてきた。
 下記の3つはそのエッセンスともいえる。


asahi.com 2011年4月13日0時2分
http://www.asahi.com/science/update/0412/TKY201104120234.html

原子炉冷却へ新システム検討 圧力容器丸ごと水没案も

 福島第一原子力発電所について、政府や東京電力は原子炉に通じる配管を外部に引いて、水を循環させながら炉心を冷やす新たなシステムづくりの検討を始めた。
 燃料が水の中にある状態をつくるため、格納容器内を水浸しにして圧力容器ごと核燃料を水没させる案も浮上している。
 各原子炉の損傷具合や作業のしやすさにより、異なった対応を考えている。

 熱を出し続けている核燃料には冷却が必要だ。
 炉内が100度未満になる「冷温停止」状態にするのが当面の目標。温度の計測値は1号機が200度台で際だって高い。
 2、3号機も100度を超えている。

 1~3号機の圧力容器内には毎時6千~7500リットルの真水を注入している。注入した水は高濃度の放射性物質で汚染され、タービン建屋などに流れ込んでいると見られる。各号機のタービン建屋周辺に水が推定約6万トンたまっている。

 いつまでも注水には頼れない。
 東電は水を循環させる従来の冷却システムの復旧を目指しているが、いまのところ見通しは立っていない。
 地震や津波で配管やポンプが破壊されていることが予想される。
 補修の必要も予測されるが格納容器下部で毎時10シーベルトを超える場所もあり、作業員が近づけず作業は容易ではない。

 このため、復旧ができない場合も十分考えられる。
 そこで建屋の外に仮設の冷却システムをつくり、循環させる案が浮上している。
 途中に海水による熱交換器や、ビルの空調に使われる空冷式の冷却塔などを設置し水を冷やすほか、循環水に含まれる放射性物質を取り除くため鉱物や活性炭などを使った浄化装置を置く検討も始まっている。
 タービン建屋に流れ込んだ汚染水を冷却・浄化して再び炉に戻す「大きなループ」(東電関係者)も検討している。
 枝野幸男官房長官は8日の会見で
 「採用の可能性があって効果のあることならば、急いで進めるようにと私からも投げかけている」
と明かした。

 格納容器ごと水没させる案は米原子力規制委員会(NRC)が勧めており経済産業省原子力安全・保安院も視野に入れている。
 米国の研究では、圧力容器全体を冷やすことで圧力容器の損傷を防ぎ、容器内の溶けた燃料など放射性物質を外に漏れださないようにできるメリットがあるという。
 一方で、格納容器を水で満たすには、圧力を下げるために放射性物質の放出を伴うベント(排気)を前提としている。
 ベントせずにいかに水を満たすかは課題だ。




asahi.com 2011年4月14日20時27分
http://www.asahi.com/national/update/0414/TKY201104140342.html

陸前高田で84センチ地盤沈下 被災3県、広域で沈下



 国土地理院は14日、東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県での地盤変化の状況を発表した。
 調査した沿岸部の28地点すべてで震災前より沈下し、最大で84センチ下がっていた。

 岩手県宮古市~福島県相馬市の水準点と三角点について5~10日、全地球測位システム(GPS)で標高を観測し、3月11日の本震前と比較した。

 最も大きく沈下したのは岩手県
 陸前高田市小友町西の坊で、宮城県石巻市渡波神明の78センチ、
 気仙沼市唐桑町中井で74センチ
と続いた。
 最も差異が小さかった宮城県亘理町でも20センチの沈下があった。

 国土地理院によると、沈下の原因は本震や余震による地殻の変動。
 電子基準点の調査では宮城県牡鹿半島の1.2メートル沈下が3月18日に判明しており、3県沿岸部の広域で地盤が沈下したことが裏付けられたという。

 今回は緊急調査で誤差がある可能性もあり、年度内に測量を実施し、正確な状況を把握する。
 川原敏雄・物理測地課長は「今回の調査結果を各自治体の防災対策などに活用してほしい」と話している。




テレ朝ニュース 2011/04/15 05:54
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210415001.html

1、2号機で地下水“汚染濃度”が大幅上昇

 福島第一原発の1号機と2号機で、タービン建屋付近の地下水に含まれる放射性物質の濃度が1週間前に比べて大幅に上昇していることが分かりました。

 東京電力:「13日に(地下水を)サンプリングした際に、ヨウ素の濃度が1けた上昇しているということもございました」
 東京電力によると、1号機から6号機のタービン建屋周辺にある地下水を調べた結果、セシウム134の濃度が高いところで約40倍になるなど、1号機と2号機で地下水に含まれる放射性ヨウ素やセシウムの濃度が大幅に上昇していることが分かりました。
 東京電力では、原子力安全・保安院からの指示を受け、週に一度だった調査を週3度に増やして監視を強化します。
 また、3号機の原子炉格納容器内の温度が12日から2日間で100度近くも上昇したことが分かりました。
 燃料棒が収められている圧力容器本体の表面でもわずかな温度上昇が見られました。




asahi.com 2011年4月15日10時29分
http://www.asahi.com/national/update/0415/TKY201104150084.html

海水のフェンス設置完了 たて坑水位は上昇 第一原発



● 写真:高濃度の放射能汚染水の広がりを防ぐために設置されたシルトフェンス=東京電力提供拡大高濃度の放射能汚染水の広がりを防ぐために設置されたシルトフェンス=東京電力提供


● 図:シルトフェンスの設置場所拡大シルトフェンスの設置場所

 東京電力福島第一原発で、取水口付近の海水を仕切る「シルトフェンス」を6カ所に設置する作業が14日に終わった。
 新たな放射能汚染水の流出が発生したとしても、その拡散をある程度防げるようになった。
 流出元になった2号機の取水口付近では15日も止水用の板を設け、放射性物質のセシウムを吸着する性質があるゼオライトの土嚢(どのう)も新たに投入する。

 シルトフェンスは元々、土木工事で発生する泥水の拡散防止に使われる。
 海上の浮きから海底付近までカーテンのようにポリエステル製の幕で仕切る。

 設置したのは取水口付近の6カ所で、いずれも二重に張った。
 1~4号機の取水口を囲んだうえ、これを囲む堤防の開いた部分を閉じるように設置した。

 13日現在、2号機取水口付近では基準の2500倍、堤防の内部でも1400~1700倍のヨウ素131が検出されている。
 この拡散をある程度防ぐと期待されている。

 ゼオライトの土嚢を投入するのは2、3号機の取水口前。1袋100キロで計10袋を予定している。1、4号機も検討中。

 汚染水をタービン建屋の復水器に回収する作業が13日までに終わった2号機の坑道では、たて坑の水位はいったん8センチ下がったが、その後上昇して15日午前7時現在で元に戻った。
 地上の入り口からの深さは91センチで、余裕はあるという。
 つながっているとみられるタービン建屋地下にたまった水はくみ上げ時に5センチ下がったままで、遅れてたて坑に流れ込んでいる可能性があるという。

 汚染水のもう一つの回収先となる集中廃棄物処理施設(容量3万トン)では引き続き、受け入れ準備の点検が進められている。
 東電はこのほか、4月下旬までに1万2千トン分の仮設タンクの設置を終える見通しを示した。

 また、東電は14日、敷地内の土壌中のウラン測定結果を初めて公表した。
 3月28日に採取した2地点を分析したところ、天然中に存在するのと同じレベルのウランが検出されたという。
 また、事故に由来するとみられるプルトニウムも引き続き検出されている。




NHKニュース 2011年4月15日 21時10分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110415/t10015346421000.html

放射性物質吸着へ鉱物を投入

 東京電力は、福島第一原子力発電所から流出した放射性物質が海で広がるのを抑える対策の一つとして、汚染水が流出した場所の周辺に、放射性セシウムを吸着する効果がある「ゼオライト」という鉱物の投入を始めました。

 福島第一原発では、今月2日、高濃度の放射性物質に汚染された水が2号機の海沿いの施設付近から流出しているのが見つかり、東京電力は、流出を止める工事を行うとともに、ほかに流出している場所がないか調べています。
 原発周辺の海水や福島県沖や茨城県沖でとれたコウナゴという魚からは、放射性物質が通常より高い濃度で検出されていて、海の環境への影響が懸念されています。
 このため東京電力は放射性物質が海で広がるのを抑える対策の一つとして、汚染水が流出した場所の周辺に、新たに「ゼオライト」という鉱物を土のうに詰めて投入する作業を15日から始めました。

 ゼオライトは、汚染物質を吸着する材料として広く使われていて、今回は、半減期が30年と長く環境中に残るおそれのあるセシウム137などを取り込むことが期待されています。
 東京電力は、原発の取水口の近くに100キロのゼオライトを詰めた土のうを合わせて10個投入する予定で、定期的に引き上げて、表面の放射線量を測り、効果を確認するとしています。
 放射性物質が海で広がるのを抑える対策として、東京電力はこのほか、原発近くで、「シルトフェンス」と呼ばれるカーテン状のフェンスと、「止水板」と呼ばれる金属の板を設置しています。





日経新聞 2011/4/15 16:50
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819595E3E6E2E29B8DE3E7E2E6E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2

検査中の原発16基、運転再開メド立たず 電力各社
地元理解へ安全対策急ぐ

 東京電力の福島第1原子力発電所の事故により、各電力会社が定期検査のため停止した原発全16基の運転再開にめどが立っていない。
 各社は海江田万里経済産業相の求めに応じて福島第1原発事故を踏まえた安全対策を反映させた保安規定変更の認可申請を提出し、運転再開を目指している。
 ただ、経産相の認可が下りたとしても、福島第1原発の事故が収束していないだけに、運転再開には地元の理解を得る必要がある。







== 東日本大震災 == 



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