2011年4月16日土曜日

自分で使う電気は自分で

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● 太陽光発電の宣伝


 「経済発展」ということに主力をおけば発電所の建設は不可欠であり、それには原発がいちばんいい。
 でも日本列島というのは、どうみても原発敷地にはふさわしくないようだ。
 人知・想定を超えるパワーを秘めているのが自然というものであり、そのパワーを制御して原発を建設できるほど人間あるいは科学や技術は優ってはいないということである。
 日本列島と原発は相性が悪いということは、今回の地震でいやというほど知らされた。
 これからは原発建設は行われないし、旧来の原発も徐々に閉鎖されていく。
 ただ手足をもぎ取られるのをじっとみているほど日本人はバカではない。

 少しでも、消え行く原発に対抗する手段を考え出していかねばならぬ。



産経新聞 2011.4.16 10:34
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110416/dst11041610380011-n1.htm

風力・太陽光エネが原発を逆転 福島事故で差は拡大へ


● 発電容量の増減の推移

 2010年の世界の発電容量は、風力や太陽光などの再生可能エネルギーが原発を初めて逆転したとする世界の原子力産業に関する報告書を米シンクタンク「ワールドウオッチ研究所」が15日までにまとめた。

 原発は、安全規制が厳しくなったことや建設費用の増加で1980年代後半から伸び悩み、2010年の発電容量は3億7500万キロワット。
 一方、再生可能エネルギーは地球温暖化対策で注目されて急激に増加し、風力と太陽、バイオマス、小規模水力の合計は3億8100万キロワットになり、初めて原発を上回った。

 報告書は、福島第1原発事故の影響で廃炉になる原発が多くなり、新設も大幅には増えず、再生可能エネルギーとの差はさらに開くとみている。(共同)


 だが、当面は節電が目標になるだろう。


中日新聞 2011年4月16日
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20110416/CK2011041602000103.html

【岐阜】 エネルギー消費 2030年に30%減目標

 県は、最先端のエネルギー技術と省エネ技術を組み合わせ、2030年のエネルギー消費量を
 「無対策時に比べ30・5%削減
することを目指す11~15年度県次世代エネルギービジョンを策定した。

 ビジョンでは、太陽光・風力発電が化石燃料を燃やす火力発電による発電量に到底及ばない現状を踏まえ、省エネ技術の必要性を強調。
 燃料電池や蓄電池、電気自動車など最先端のエネルギー技術のバランスがとれた導入や、経費の軽減も重視した。

 15年度までの数値目標として、県内で
▽ 電気自動車およびプラグインハイブリッド車を現行の約150台から計1万6000台に
▽ 太陽光発電を1万1400世帯から6万世帯に増加
-などと設定。
 太陽光発電や燃料電池などを組み合わせ、エネルギーを自給する岐阜市茜部野瀬のモデルハウス「グリーニー岐阜」などの効果も検証する。

 県商工労働部では
 「オイルショック後、国内で家庭のエネルギー消費量が増加した。
 新ビジョンはエネルギー・環境問題に大きく貢献する」
と話している。 



 話題となっている太陽光発電について。


毎日.jp 2011年4月15日 地方版
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20110415ddlk28040442000c.html

東日本大震災:「非常時電源に有効」 豊岡市、
太陽光発電をPR /兵庫

 豊岡市はホームページに、災害で停電した際、住宅用太陽光発電システムで生活に必要な必要最低限の電気を確保する方法を掲載し、
 「太陽光発電は、温室効果ガス削減とともに非常時の電源としても有効」
とPRしている。

 平常時、太陽光パネルで発電された電気は「パワーコンディショナー」という装置を通って家庭内の家電を動かし、余った電気は電力会社に売られているが、停電すると太陽光発電システムは自動的に運転を停止する。

 長時間停電する際に太陽光で発電した電力を家庭内で使うには、
(1)パワーコンディショナーのスイッチを「自立運転」に切り替える
(2)パワーコンディショナー付属のコンセントに家電を接続する
--という作業が必要だ。

 自立運転の注意点は
▽ 日照がある昼間しか使えない
▽ 電圧が不安定
▽ 電力容量の上限が1・5キロワット
--という制約があること。
 大容量の製品は使えないが、日中の炊事や携帯電話の充電、テレビやラジオ程度なら使用可能な場合が多く、燃料なしで使えるメリットは大きい。

 一般家庭向き太陽光発電システム(出力4キロワット)の設置費用は200万円前後。
 市は1キロワットあたり5万円(上限20万円)、国は1キロワットあたり4万8000円を補助する制度を設けており、02~10年度に市内342世帯が補助を受けてシステムを設置している。
 問い合わせは市エコバレー推進室(0796・21・9012)へ。


 ここで、「太陽光発電」というのが「家庭的電源」のベースとして推奨されている。
 まず、家庭においては自分の家で使う分は自分で電力を作り出せ、という。
 足りない分があったらそのときに、はじめて電力会社が供給する、という考えである。


朝鮮日報 : 2011/04/16 07:58:43
http://www.chosunonline.com/news/20110416000002

現代重とSKC、太陽光発電への投資活発化

 現代重工業とSKCが、15日に太陽電池関連工場の起工式・竣工式をそれぞれ行うなど、太陽光発電産業への投資を活発化させている。

 現代重工業とフランスのサンゴバングループが合弁で設立した「現代アバンシス」は同日、忠清北道清原郡梧倉邑で韓国最大規模となる薄膜太陽電池工場の起工式を開催したと発表した。
 薄膜太陽電池は、シリコンの代わりにガラスのような安価な基板を利用した次世代の太陽電池で、技術の壁が高く、日本のソーラーフロンティアを除けば大量生産に成功したケースはほとんどない。

 SKCは忠清北道鎮川に建設中だった、太陽電池の核心素材の一つであるエチレンビニルアセテート(EVA)シート工場が完工。
 EVAシートは太陽電池モジュールに使用される素材で、太陽電池を覆い、長期間の安定した太陽光発電を可能にする機能を持つ。
 SKCは同日、太陽光発電に使用される PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム工場の着工式も行った。
 同社のパク・チャンソク社長は
 「2015年には太陽電池の素材分野だけで1兆ウォン(約760億円)以上の売り上げを達成するだろう」
と述べた。


 ではこの「家庭電力」として推奨されている「太陽光発電」とはいかなるものなのであろうか。


太陽光発電
http://www.nef.or.jp/photovolataicpower/shikumi01.html

【太陽の光を直接電気に変える】
  シリコン半導体などに光が当たると電気が発生する現象を利用し、太陽の光エネルギーを直接電気に変える発電方法です。
 太陽光発電システムの定格出力1kWあたり、年間約1000kWhの電力を発電します。
 (地域や設置の方位、傾斜角によって異なります。)

■住宅用太陽光発電システム


■発電のしくみ
 太陽電池のN型半導体とP型半導体の間には、(+)と(-)の電位差が生じています。
 しかし、光が当たっていない状態では、そこに導線をつないでも、電気は流れ出すことはありません。
 太陽電池に光が当たると、P型半導体の(-)電子がN型半導体(+)のホールに移動し、不安定な状態になったN型半導体の自由電子(-)が導線を伝ってP型半導体に向かって移動することにより、電流が流れることになります。


  平均的な一般家庭で消費する電力量は、年間約3600kWhなので、定格出力3~4kWの太陽光発電システムによってまかなえることになります。
 晴れた日中には発電効果がもっとも大きくなり、電力会社に売電する量も大きくなります。
 一方、真夏の晴れた日には冷房などの利用が増加し、一年でもっとも電力利用が増加します。
 したがって、太陽光発電を設置すると、電力供給がもっとも切迫する真夏の電力消費量を抑えることができます。

■天候による発電の傾向の変化


【太陽電池の種類】
 太陽電池の種類は下の図のとおり材料や構造等によって分類されます。
 まず、材料によりシリコン系と化合物系の2つに大分されます。
 シリコン系はさらに結晶系と非結晶系のアモルファスに分けられ、結晶系には単結晶と多結晶があります。
 化合物系は2種類以上の元素の化合によって生じた半導体です。

 ■ 太陽電池の種類



 Wikipediaから。


 太陽光発電(たいようこうはつでん、Photovoltaic power generation)は、太陽電池を利用し、太陽光のエネルギーを直接的に電力に変換する発電方式である。
 ソーラー発電とも呼ばれる。再生可能エネルギーの一種であり、太陽エネルギー利用の一形態である。

 太陽光発電装置は一般に導入時の初期費用が高額となるが、メーカー間の競争によって性能向上と低価格化や施工技術の普及も進み、運用と保守の経費は安価であるため、世界的に需要が拡大している。
 昼間の電力需要ピークを緩和し、温室効果ガス排出量を削減できるなどの特長を有し、低炭素社会の成長産業として期待されている。

* 発電装置に可動部分が無く、磨耗等による機械的な故障が起きない
* 規模に関わらず発電効率が一定であるため小規模発電でも不利とならず、新設・増設が容易である
* 発電時に廃棄物・温排水・排気・騒音・振動などの発生がない
* 出力ピークが昼間電力需要ピークと重なり、需要ピーク電力の削減に効果がある
* 需要地に近接して設置できるため、送電のコストや損失を最小化できる
* 分散型電源のため運搬に適すほか非常用の電源となりうる
* 建築物の屋根や壁面にも設置できるため、土地を占有せずに設置することが可能

 太陽光発電のコストは、一般的に設備の価格でほぼ決まる。
 運転に燃料費は不要であり、保守管理費用も比較的小さい。
 エネルギーセキュリティ向上などの付加的なコスト上のメリットも有する。
 また特に昼間の需要ピークカットのコスト的メリットが大きいとされる。
 他電源に対するコスト競争力は比較条件にも依存し、用途などによっては現状でも価格競争力を有する。
 途上国で送電網が未整備な場合、消費電力に比して燃料輸送費や保守費が高い場所など(山地、離島、砂漠、宇宙等)では、現段階でも他方式に比較して最も安価な電源として利用されている。
 蓄電池を用いた独立型システムにおいても、今後の価格低下と途上国などでの普及拡大が予測されている。


 「家庭用個人発電」としてはお手軽に使えそうです。
 少なくとも、家庭発電では使用量のすべてをまかなう必要はなく、主電源への補充能力さえあれば充分といえるでしょう。
 もし効率のいい太陽電池が発明されたとしたら、ちょうどLED電球が蛍光灯に置き換わるように、これからの日本では大いに普及していくでしょう。
 なにしろ、各家庭に発電所をもっていることになるわけですから、チリもつもればでこれは相当な効果が期待できるかもしれません。





[◆ その後]


SankeiIBiz 2011.4.18 05:00
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110418/mcb1104180503012-n1.htm

太陽光発電コスト、10年で石炭火力並みに

 太陽光発電のコストが今後10年間で石炭火力発電所並みになり、太陽光パネル設置ブームを後押しすると、業界幹部やアナリストは見ている。
 コスト的にはすでに並びつつあるとの見方もある。
 ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスによると、大規模な太陽光発電設備計画のコストは2020年までに1ワット当たり1.45ドル(約120円)になる見通し。
 中東など太陽光に恵まれた地域の送電網では、化石燃料に対抗し得るという。

 カナディアン・ソーラーのショーン・クー最高経営責任者(CEO)は、
 「局面が変化している現段階で、太陽光の送電コストが他の電力網に並ぼうとしている。
 既にカリフォルニア州や日本などでは最もコストのかかる発電方法に対して競争力を有している」
と語った。
 JAソーラー、カナディアン・ソーラー、インリー・グリーン・エナジーなどの中国企業は電池技術の改善や製造工程の合理化で低コストの太陽光パネルを製造している。

 ニュー・エナジー・ファイナンスは、多くの場所で太陽光発電が価格競争力を持ち、今後数年間で補助金なしでも石炭火力に対抗できるようになるとの見通しを示した。
 ニュー・エナジー・ファイナンスのマイケル・リーブレックCEOは
 「徹底的なコスト削減が太陽光発電業界を引っ張っている。
 今後10年で太陽光発電事業のコストはさらに半減するだろう」
と述べた。

 太陽光発電システムの設置が進み、昨年18.6ギガワットだった発電量は13年に32.6ギガワットに達する見込みだ。
 既に世界の製造キャパシティーは08年の4倍の27.5ギガワットに達しており、今年中には12ギガワットが追加される。

仏原子力大手アレバは、太陽光発電部門責任者、ビル・ガロ氏が
 「製造方法は改善されなければならない」
と語る通り、20%のコスト削減を実現した。
 昨年10~12月期の1キロワット当たりの発電コストは石炭が7セント、天然ガスが6セント、太陽光発電が22.3セントだった。

 クー氏によれば、このような比較が行われる場合、太陽光発電のコストに装置の設置費用が含まれるため、正確な比較ができないという。
 一方で、発電装置の価格は下がると述べている。

 ソーラーシティーのリンドン・ライブCEOも
 「システムのコストは毎年5%から8%下がってきた。今後も下がり続けるだろう」
と見通している。
(ブルームバーグ Ehren Goossens)


 本とかどうかしらないが、GIZMODEの記事を。


GIZMODE パネルより安くて効率的!
http://www.gizmodo.jp/2011/04/post_8771.html

太陽光発電の未来を変える大発見! 
 ソーラーパネルより安くて効率的!

 1世紀以上維持されてきた物理学の理論を根底から覆すような発見がありました。

 それは、半導体やソーラーパネルを使わずに、もっと安い素材を使ってもっと効率的に太陽光発電が出来るようになるという新しい可能性を広げてくれる発見でした。

 ミシガン大学のスティーブン・ランド教授と彼の研究チームは、
 光波の磁気は、これまで信じられていたよりも一億倍強い事を発見しました。
 それと同時に、電気を通さない素材を使用して太陽光発電が出来ることも発見し、太陽エネルギーを取り込むための新しい可能性を広げたんです。
 PhysOrgによると、この発見は研究者たちが非電気物質に光源を走らせた時に起こったそうです。

光には電気と磁気コンポーネントがあります。
 今に至るまで、科学者は磁気については、効果が非常に弱かったので、無視してきました。
 ランド教授と彼の同僚が見つけたものは、
 光が電気を通さない物質を通して伝わる時に、至適強度であった場合、光照射野は以前に予想されていたよりも1億倍強い磁気効果を生成する
ことが出来るという事でした。
 このような状態の下では、
 磁気効果が、強い電気的効果に同等な強さを作り出します。

 最近の技術では、光は太陽の自然な強度よりはるかに強い、1センチ四方あたり1000万ワットの強度で集束しなければなりませんでした。
 でも、ランド教授らは、より弱い光源でエネルギーを生成出来る素材を使用した研究をしています。

 研究者たちは、このブレイクスルーは半導体を使う必要がなく、光を吸収する必要のない光電池の開発への道筋をつくってくれていると考えています。
 この技術が意味するのは、より安く、効率的に太陽光発電をすることが出来るようになるということです。
 ランド教授は、もう少し研究し、適切な素材を使えば、現在の商用グレードのパネルよりも10%は、効率を良くすることが出来ると考えているそうです。

 原子力発電の使用や代替エネルギーについての意識が高くなっている今、なかなか期待できるブレイクスルーですよね。 






== 東日本大震災 == 



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