2011年4月15日金曜日

金庫とお金

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● ロケトニュース より



ロケットニュース24  2011年4月12日
http://rocketnews24.com/?tag=%E9%87%91%E5%BA%AB

津波で流された大量の金庫
/ 日本人の「たんす預金」が海外で報道される

  東北地方太平洋沖地震から1カ月が過ぎ、被災地では余震や津波、そして放射能の恐怖の中でも懸命な復旧作業が行われているが、現在も東日本では大きな地震が続いており、作業がスムーズに進まない原因のひとつとなっている。
 しかし多発する地震以外にも、流された家屋などを片付ける人々にとっては悩みの種となっているものがあるようだ。

  英メディアDailyMailが伝えたところによると、被災地では個人や会社などの所有物である金庫が津波によって流され、所有者の割り出しに困難を極めているという。

  岩手県大船渡市にある警察署には、瓦礫を撤去する過程で見つかった金庫が次々と届けられ、本来はパトカーなどを置いている車庫に保管しているそうだ。
 紛失物などを取り扱う会計課長によると、
 「初めは、届けられた金庫を署内に保管していたのですが、あまりにも数が多すぎて車庫に移すしかなかったのです」
とのこと。
 署では、現在も続々と届けられる金庫の対応に追われており、100個は優に超えているとみられるが、保管している正確な数は把握できていないという。

  金庫の持ち主を割り出すだけでも困難なのだが、それ以上に大変なのが現金の所有者特定だ。
 封筒やかばん、家具などに入った現金の束は、誰のものか確認することが非常に難しい。
 宮城県警察の会計課でも、日々発見される金庫や現金を保管しており、人々が普段自宅に大金を置いているという現実を実感しているようだ。
 「銀行を信用していないわけではなくても、利息が低いという理由だけでなく手元にある便利さなどから『たんす預金』している人が多いようです。
 特に、お年寄りのなかにはATMの利用に慣れていない人も多くいます」
と会計課のある職員は語っている。

  日本銀行は2008年の報告で、発行されている1万円札の3分の1以上が実際には流通していないとしており、その額は約30兆円に上るとされている。
 政府の試算では、今回の地震と津波による被害額は最大で25兆円に達するとされているが、これに含まれているのは住宅や道路などのインフラへの直接的な損害だけであり、金庫やたんす預金の現金などは含まれていない。

  津波で流された自分の金庫を受け取るには、金庫を開けることができ、さらに中にあるなんらかの書類の内容と一致する個人情報などで証明しなければならないとのこと。
 家屋をすべて失った被災者にとってはかなり難しい条件となるが、それでも金庫を取り戻せれば現金そのものの紛失よりはまだ良いようだ。
 宮城県警察のある職員によると、
 「たとえ現金5万円を届けられた後、5万円を紛失したという人が現れたとしても、それを証明することはほぼ不可能なのです」
とのこと。
 これまでに、津波により失われた貴重品で持ち主の元へ返されたのは10~15パーセントほどだそうだ。

  現在、岩手県警察では金庫を開けて持ち主を特定するという方法を検討中。
 所有者が現れるのを待っているだけでなく、自発的に個人の財産を持ち主に戻す努力をしていくとのこと。

  時間と手間のかかる作業となりそうだが、金庫の中身が何であれ家を失った被災者にとっては重要な財産であるはずなので、正確に特定作業が行われて1人でも多くの持ち主に戻されることを願う。
 経済のためにも、いつ起こるかわからない災害のためにも、たんす預金をしている人は見直してみる必要があるかもしれない。

  参照元:MailOnline(英文)(情報提供:ロケットニュース24)




朝鮮日報 : 2011/04/12 09:02:19
http://www.chosunonline.com/news/20110412000020

東日本巨大地震:警察署の駐車場に金庫の山
大船渡警察署「高齢者の多い地域ほど流された金庫の数も多い」

現金を自宅に保管する「たんす貯金」文化

 岩手県大船渡市にある大船渡警察署の駐車場には、車ではなく数百個の金庫が積み上げられている。
 3月11日の東日本大地震とその後の津波で多くの家が押し流されたが、これらの金庫は、流された家の残骸などから回収されたものだ。
 大船渡警察署の関係者は
 「最初は警察署の建物の中に保管していたが、数があまりにも多く、今では建物の外で保管している」
 「今も毎日数個の金庫が回収されており、正確な数は把握できていないが、少なくとも数百個にはなるだろう」
と話した。
 今回の地震で最も大きな被害を受けた宮城県でも同じような状況だ。

 英紙「デーリーメール」はこの状況について
 「日本特有の“たんす貯金”文化」
と報じた。
 日本には現金を銀行などに預けず、自宅に保管している人が多い。
 そのため日本国内では、普段からおよそ30兆円もの現金が、市場に出回らずそのまま保管されているという。

 とりわけ高齢者世帯は金融機関に預けないケースが多いという。
 地震と津波で被害が発生した地域の中でも、とりわけ高齢者が多く住む地域で、持ち主の分からない金庫が多く発見されているのはそのためだ。
 ちなみに岩手県は住民の30%が65歳以上。
 宮城県の警察関係者は
 「高齢者はATM(現金自動預払機)をあまり利用せず、自分が必要なときにいつでも金が使えるよう、自宅の金庫に現金を保管している」
と話した。
 日本で金利が低いことも、たんす預金が多い理由の一つだ。

 共同通信は9日、
 「岩手県と宮城県だけでも数千万円もの現金が“拾得物”として保管されているが、これらの持ち主を見つけるのは事実上、不可能だ」
と報じた。
 宮城県庁の関係者は
 「現金は財布の中で身分を証明するものと一緒に保管されている場合などを除いては、一般的に本人に返還するのは難しい」
と述べた。

 日本の法律によると、拾得物は3カ月の保管期間が過ぎても持ち主が現れず、所有者が分からない場合、発見者がそれを自分のものにすることとなっている。
 この法律通り処理されれば、これらの金庫は3カ月後には日本政府に帰属することになる。
 被災者たちの間では
 「所有者に返還できないのなら、この現金は復旧費用として使ってはどうか」
という声が相次いでいる。
AP通信は
 「日本政府が発表した地震と津波の被害規模は15兆円から25兆円と試算されているが、これには個人の財産被害は含まれていない」
と報じた。



● 金庫の山



ANNニュース 2011/04/14 23:42
http://news.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210414042.html

 東日本大震災によって破れたり汚れるなどして日銀が交換したお札の総額が、
 約1カ月で10億円
を突破しました。

 日銀の仙台や福島支店には、金融機関や個人から津波などで汚れたお札が大量に持ち込まれ、新札と交換されています。
 14日だけでも6000万円ものお札が交換され、震災発生から約1カ月で交換された金額は10億円を超えました。
 交換されたお札の9割以上は、津波によって泥がついたり、破れたり、使用できなくなったものです。
 なかには、泥が入った金庫を直接、金融機関に持ち込んだ人や、知人を通じて汚れたお札を東京の日銀本店や岡山などの支店に持ち込んだ人もいたということです。




共同通信社 2011年04月09日09時21分
http://news.livedoor.com/article/detail/5477736/

被災地で拾得物の現金数千万円

 東日本大震災で、被災地の東北地方沿岸部にある警察署に、多額の現金が拾得物として届けられていることが9日、捜査関係者への取材で分かった。
 岩手、宮城両県で数千万円に上るとみられるが、現金は持ち主の特定がほぼ不可能。
 被災者からは
 「持ち主に戻せないなら、せめて復興に役立ててほしい」
との声が上がっている。
 岩手、宮城両県警によると、津波被害の大きかった沿岸部の警察署には、捜索活動などをする自衛隊や、一般の人から泥まみれの現金や金庫など1日数百点もの貴重品が届く。遺失物法では、拾得物は届け出から3カ月の保管期間に落とし主が現れないと拾い主のものになる。拾い主が権利を放棄するか、2カ月以内に受け取らなければ、権利は発見場所の施設占有者や都道府県に移る






== 東日本大震災 == 



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