2011年4月13日水曜日

本当に「レベル7」なのか。

_


● 「レベル7」



 昨日、

 突如、「レベル5」から「レベル7」へ引き上げた。
 「レベル6」はどこへいった。
 何か作為の影がちらつく。

 これで、

 すべての人が、「レベル7」に沿った行動をとるしかないようになる。
 つまり、20km圏内の人は、ほぼ永久に自宅に戻れないということを覚悟せよ、ということになる。
 背水の陣を敷いたはいいが、周りはたまったものではない。

 余震はまだまだ続いている。
 最高度の注意報をだしたのだ。
 それに準じた行動をとれ。
 何かあったらオマエ自身の責任だ、
と、言われているようなもの。
 つまり、

 人質にとられているようなものである。
 もうここには、自由な行動・表現などありはしない。
 諦めて、もくもくとガス室へ向かうユダヤ人の群れと同じになってきている。

と書いた。

 でも私のように、反発する人もいるようだ。
 いろいろ、意見を集めてみます。


ロイター 2011年 04月 13日 15:17 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-20593420110413

福島原発事故「レベル7」、専門家は評価制度に異論

 [ニューヨーク 12日 ロイター] 
 福島第1原子力発電所の事故の深刻さを示す国際評価が引き上げられたことを受け、海外の専門家からは疑問や評価制度自体の見直しを求める声が出ている。

 日本の原子力安全・保安院と原子力安全委員会は12日、福島第1原発事故の「国際原子力事象評価尺度(INES)」を放射性物質の放出量を踏まえて「レベル5」から2段階引き上げ最悪の「レベル7」にしたと発表した。
 これまでに「レベル7」に判定されたのは1986年に起きたチェルノブイリ原発事故のみ。
 福島第1原発事故が、欧州に大量の放射性物質をまき散らし、周辺に数十人の死者を出し、その後多数のがん患者を出したチェルノブイリ事故と同じくらい深刻と判定されたことになる。

 しかし、異論も出ている。

 南カリフォルニア大学のNajmedin Meshkati教授(民事・環境エンジニアリング)は
 「福島の事故はチェルノブイリほど深刻ではない。
 福島がレベル7なら、評価尺度を見直しレベル8か9まで作る必要がある」
と言う。

 INESは、チェルノブイリ事故を受け、原発事故の深刻さを一般に示すために国際原子力機関(IAEA)などによって1989年に策定された。
 地震の規模を示すマグニチュードと同様、事故の深刻さが高くなるほど数字が上がり、最高がレベル7「深刻な事故」となっている。

 米カーネギー国際平和財団のアソシエート、ジェームズ・アクトン氏は、福島とチェルノブイリの比較上の不一致は「『7』が広範な罪をカバーする」という事実からきていると指摘する。

 福島とチェルノブイリがレベル7とされたのは、事故の深刻さが同程度という理由ではなく、放射性物質の放出量が規定値に達したためだとしている。 

 事故の本当の深刻さをめぐる混乱は、評価する当局が定まっていないことにも関係する。
 評価は、原発を運営する企業、政府の所管機関あるいは科学研究機関など、当該国によって異なる。

 カリフォルニア大学のケネス・バリッシュ教授(物理学)は
 「明らかに(福島の事故)はチェルノブイリほど深刻でない」
と主張。
 「放射性物質の放出量がチェルノブイリと同程度としても、事故の内容や対応の違いから人体への影響は福島の方がはるかに小さい」
との認識を示した。

 しかし福島は、3基の原子炉および使用済み燃料棒プールが関係する事故。
 地震発生から1週間以内に水素爆発も起きている。
 チェルノブイリは原子炉1基の事故だった。

 原子力業界で長い経験を持つフェアウィンズ・アソシエーツのチーフエンジニア、アーニー・ガンダーセン氏は、3基の原子炉と燃料棒プールが冷却機能を失うという事態は明らかにレベル7に相当すると指摘した。 

 <政府・東電は説明不足> 

 今回の評価引き上げについて、専門家からは、日本政府は国民や近隣諸国がそういう事態も想定できるような措置を取ることができたはずだ、との声も出ている。

 IHSエナジー・アジア・パシフィックのアナリスト、トマス・グリーダー氏は
 「日本政府と東電は、危機が発生した時に原子炉の燃料棒プールの状況をほとんど把握できていないことを強調できたはず」
と指摘する。

 政府と東電は、当初の評価はその時点で入手している極めて限定的なる情報に基づいたものであり、放射性物質の放出量のデータを収集するには時間を要し、評価はより深刻な方向に修正する可能性もあると説明できた、という。

 専門家は、福島第1原発の問題はまだ完全に制御できておらず、水素爆発など事態がさらに深刻化する可能性があると警告している。

 (Scott DiSavino/Eileen O'Grady記者)



 国際原子力機関(IAEA)の意見だが、つまり福島はチェルノブイリと同規模の状態ではないということなのだろうか。
 言っていることが支離滅裂、まるでわからない。


ロイター 2011年 04月 13日 11:35 JST
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-20586820110413

福島原発事故、チェルノブイリとは非常に異なる=IAEA

 [ジュネーブ/ウィーン 12日 ロイター]
 世界保健機関(WHO)と国際原子力機関(IAEA)は12日、日本の原発事故の評価が最も深刻なレベルに引き上げられたことについて、人体への影響リスクが高まったわけではなく、同事故が1986年の
 チェルノブイリ原発事故と同等であることを意味するものではない
との見解を示した。

 WHOのグレゴリー・ハートル報道官はロイターに対し、
 「人体への影響に関するわれわれの評価は、きょうときのうで変わっていない」
と述べ、レベルが引き上げられた背景には、3基の原子炉から漏えいした放射線量を合わせて1つの事象と見なしたことがあると説明した。
 また、
 「現時点で、人体への影響リスクは30キロの(避難区域)圏外ではほとんどない」
との見方を示した。
 さらに、日本当局は、福島第1原子力発電所に深刻な被害をもたらした3月11日の東日本大震災と津波発生直後と比べて、かなり多くの情報を持っていると指摘。
 「彼らは放射線の累積線量を調べている。
 ただ、これは原子炉自体についてだ。
 原子炉の周辺には誰1人残っておらず、避難していることを忘れてはならない」
と語った。

 またIAEAは、福島原発事故の評価がこれまでの「レベル5」から最も深刻な「レベル7」に引き上げられたことは、この事故が同レベルに評価されている
 チェルノブイリ原発事故に匹敵することを意味するわけではない
と指摘した。

 IAEAのデニス・フローリー事務次長は記者会見で
 「福島原発とチェルノブイリ原発の事故は非常に異なっている。
 チェルノブイリ原発では運転中の原子炉が爆発した。
 大きな爆発で、数日にわたって大規模な黒鉛の火災が続いた」
と説明。
 「(チェルノブイリ原発の事故は)上層大気に放射性物質を放出し、世界中に広げるほどの威力があった」
と語った。

 一方、福島原発では地震時に原子炉が稼働停止し、圧力容器は爆発していないと指摘した。

 また、人と環境を守るための当局の行動を阻害していないため、事故の1カ月後に評価レベルが引き上げられたことは問題ではないとし、日本の危機対応を支持する姿勢を示した。




CNNニュース 2011.04.13 Wed posted at: 13:04 JST
http://www.cnn.co.jp/world/30002437.html

Q&A:福島第一原子力発電所の「レベル7」

 経済産業省の原子力安全・保安院(NISA)は12日に行った記者会見で、福島第一原子力発電所の事故について、事象・事故の深刻さを示す国際原子力事象評価尺度(INES)の暫定評価を「レベル5」から「レベル7」に引き上げたことを発表した。

 国際原子力機関(IAEA)によると、国際原子力事象評価尺度(INES)は放射性物質の放出量や健康、環境への影響など考慮して決定される。
 NISAは震災から1カ月間に放出された放射性物質などを分析し、再評価した結果、今回の事故はレベル7にあたると判断したという。

Q:INESのレベルはどのように設定されているのか

 INESの尺度は0から7の8段階に分かれており、レベル1から3は「事象」、4から7は「事故」とされる。
 レベル1から順に逸脱、異常事象、重大な異常事象とされ、レベル4は「局所的な影響を伴う事故」、レベル5は「広範囲な影響を伴う事故」、レベル6は「大事故」、レベル7は「深刻な事故」と区分されている。

 IAEAの定義では、レベル7は「計画された広範な対策の実施を必要とするような、広範囲の健康および環境への影響を伴う放射性物質の大規模な放出」とされている。

Q:福島とチェルノブイリはどちらもレベル7と判断された。福島の状況は深刻なのか

 レベル7と判断された事故はチェルノブイリと福島の2例だけだ。
 しかし、2つの事故の相違点を多数の専門家が指摘している。
 IAEAによれば、チェルノブイリの事故では人的ミスや原子炉の設計上の問題、安全性への配慮の不足により炉心が溶融、爆発が起こるなど事態が深刻化し、非常に短い期間に大量の放射性物質が大気中に放出された。
 その結果、半径30キロ圏内は長期にわたり立ち入り禁止措置をとられることとなった。
 作業員や消防活動にあたった人のうち32人が死亡し、死因の多くは被曝(ひばく)によるものだった。
 IAEAは、被曝やその影響で発病したがんによる死者数を約4000人と推計している。

 他方、福島第一原子力発電所では1号機で水素爆発があったものの、原子炉はほぼ健全な状態で、長期的な放射性物質の放出はより小規模と予想される。
 NISAは、地震の影響で損傷した11日に同発電所から放出された放射性ヨウ素131の量は毎時1万テラベクレル(テラは1兆)に達したとの推定を示している。
 また、原子力安全委員会は最大63万テラベクレルが放出されたと推定しており、いずれもINESの尺度でレベル7に該当する水準だ。
 NISAによると、今回放出された放射性物質の量はチェルノブイリの10分の1だという。

 英国マンチェスターのダルトン原子力研究所でリサーチディレクターを務めるフランシス・リベンス教授は、
 「概算ではチェルノブイリの5%~10%ほどの放出があったと考えられる」
と述べている。

Q:健康への影響はどう考えればよいか

 人体への影響についてもチェルノブイリと福島では状況が異なると専門家は指摘する。
 チェルノブイリではヨウ化カリウムの配付が十分に行われず、放射性物質が体内にとりこまれ、甲状腺がんが引き起こされたという。

 枝野幸男官房長官は12日、日本では事故による直接的な健康被害を出さずにきているとしたうえで、
 「今後も健康被害を出さないことを最優先に取り組んでいきたい」
と述べた。
 日本政府は事故発生後早期にヨウ化カリウムを発電所付近の住民に配付している。




毎日.jp 2011年4月13日 11時39分
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110413k0000e040051000c.html

福島第1原発:チェルノブイリ級ではない 仏研究所が見解

 フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)のグルメロン放射線防護局長は12日の記者会見で、国際評価尺度(INES)の暫定評価で最悪の「レベル7」とされた福島第1原発事故について、重大だが旧ソ連のチェルノブイリ原発事故には「匹敵しない」との見解を明らかにした。

 同局長は
 「現時点で福島事故は極めて重大だが、
 チェルノブイリ級ではなく、将来そうなることもない
と指摘。

 福島事故で深刻な放射性物質の放出が起きたのは3月12日から21日の間で、放出量はチェルノブイリ事故の10分の1にとどまっている点が「根本的に違う」と説明した。

 局長は、放射性物質の広がりについて、風向きや気象の影響で福島原発周辺の限られた地域にとどまっているとも指摘。
 欧州への影響は
 「チェルノブイリ事故と比べれば、無に等しい」
と述べた。(パリ共同)




テレ朝ニュース 2011/04/13 11:52
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210413017.html

【原発】「レベル7引上げは妥当」米原子力規制委

アメリカのNRC=原子力規制委員会のヤツコ委員長は、福島第一原発事故がレベル7に引き上げられたことについて、「引き上げは妥当」という認識を示しました。



 NRC・ヤツコ委員長:「レベル7への引き上げは特段、驚くべきことではありません。非常に深刻な事故であることはすでに明白だからです」
 ヤツコ委員長は、議会の公聴会で原発の状況について「安定していない」と証言し、炉心などの長期的な冷却が必要だと強調しました。「仮に冷却機能が失われれば、最悪の場合、これまでよりも大規模な放射性物質の拡散が起きる可能性がある」とも指摘しました。また、アメリカ国内でも同様の事故が起きて日本のような事態が長引く状況を想定し、新たな避難計画の策定を検討していることも明らかにしました。
 米太平洋軍・ウィラード司令官:「(福島第一原発の)状況は落ち着いている。少しずつ良い方向に向かっている」
 アメリカ太平洋軍のウィラード司令官は「毎日、無人探査機を飛ばし、原発の温度や放射性物質による汚染状況を調査するなど事態を注視している」としたうえで、状況は少しずつ良い方向に向かっていると説明しました。また、「海兵隊の専門部隊が放射性物質の監視などにあたり、自衛隊の活動を支援している」と述べました。


アメリカのNRC=原子力規制委員会のヤツコ委員長は、福島第一原発事故がレベル7に引き上げられたことについて、「引き上げは妥当」という認識を示しました。

 NRC・ヤツコ委員長:「レベル7への引き上げは特段、驚くべきことではありません。非常に深刻な事故であることはすでに明白だからです」
 ヤツコ委員長は、議会の公聴会で原発の状況について「安定していない」と証言し、炉心などの長期的な冷却が必要だと強調しました。「仮に冷却機能が失われれば、最悪の場合、これまでよりも大規模な放射性物質の拡散が起きる可能性がある」とも指摘しました。また、アメリカ国内でも同様の事故が起きて日本のような事態が長引く状況を想定し、新たな避難計画の策定を検討していることも明らかにしました。
 米太平洋軍・ウィラード司令官:「(福島第一原発の)状況は落ち着いている。少しずつ良い方向に向かっている」
 アメリカ太平洋軍のウィラード司令官は「毎日、無人探査機を飛ばし、原発の温度や放射性物質による汚染状況を調査するなど事態を注視している」としたうえで、状況は少しずつ良い方向に向かっていると説明しました。また、「海兵隊の専門部隊が放射性物質の監視などにあたり、自衛隊の活動を支援している」と述べました。




毎日.jp 2011年4月13日 10時36分
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110413k0000e040025000c.html

福島第1原発:「チェルノブイリ」に遠く及ばず IAEA

 【ウィーン樋口直樹】福島第1原発事故の国際評価尺度(INES)がチェルノブイリ原発事故(86年)と同じ「レベル7」に引き上げられたことについて、国際原子力機関(IAEA、本部ウィーン)は12日、福島原発事故の深刻さは史上最悪とされる
 チェルノブイリ事故に遠く及ばない
との見方を示した。
 レベルの引き上げに伴う無用の混乱を避ける狙い
があるとみられる。

 IAEAのフローリー事務次長は会見で、チェルノブイリ事故について
 「原子炉自体が大爆発し、激しい黒鉛火災が続いた。
 放射性物質が空高く吹き上がり、一帯に飛び散った」と説明。
 「福島では全ての原子炉が地震で停止し、原子炉圧力容器自体が爆発することはなかった」
と両者の違いを強調した。

 同氏はさらに、福島原発からの放射性物質の外部放出量37万テラベクレル(保安院推定)と、チェルノブイリ事故の放出量520万テラベクレルを引き合いに、
 「両者には大きな違いがある。
 事故の構造はまったく違う」
と強調した。

 INESはレベル7の評価要件のひとつとして、
 「ヨウ素131等価で数万テラベクレル以上の放射性物質の外部放出」
を挙げている。
 福島原発の放出量はこれに該当する。

 一方、フローリー氏は
 「INESの尺度は行動のための尺度ではない」
と述べ、レベルの引き上げによって避難区域の拡大など特定の行動が課されるわけではないとした。
 「日本の担当者は尺度が見直される前からやるべきことをやっていた」
とも語り、レベルの引き上げによって事故を取り巻く環境が劇的に変わることはないとの見通しも示した。



毎日.jp 2011年4月13日 20時43分
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20110414k0000m030103000c.html

福島第1原発:レベル7で国際的な推進路線に冷や水も

 【ウィーン樋口直樹】福島第1原発事故の国際評価尺度(INES)が史上最悪の旧ソ連チェルノブイリ原発事故と同じ「レベル7」に引き上げられたことを受け、国際原子力機関(IAEA)は、チェルノブイリとの違いを強調するなど警戒感をあらわにした。
 ロシアやフランスなど原発大国からは日本の「過剰評価だ」と指摘する声も相次いだ。
 背景には、国際的な原発推進路線の「後退」への危機感の強さが読み取れる。

 「原子力の平和利用」の旗振り役であるIAEAは、福島原発事故を「大きな挑戦」(天野之弥事務局長)と受け止めている。

 天野氏はウィーンで開催中の原子力安全条約検討会合の冒頭、福島原発事故にもかかわらず
 「原子力への関心の背後にある基本的な要因は変わらない」
と指摘。
 国際的なエネルギー需要の拡大や気候変動、不安定な化石燃料価格への対策として原子力の有用性を訴えた。

 一方、IAEAには「原子力安全策の確保、向上」という重要な使命も課されている。
 このため、天野氏は
 「原子力の安全性に関する世界の懸念を深刻にとらえなければならない」
とも強調、加盟国などに、国際的な安全基準の順守や透明性の確保を訴えている。

 原発推進と安全確保の両立を図るIAEAだけに、福島原発事故への評価には慎重にならざるを得ない。

 フローリー事務次長は12日の記者会見で、日本の「レベル7」への引き上げには理解を示しつつ
 「福島原発事故とチェルノブイリ事故はまったく違う」
と何度も力説。
 レベル引き上げに伴う過剰な警戒をいさめる格好になった。

 IAEAによると、新たに原発計画を検討している加盟国は昨年末時点で60カ国以上。
 既に原発計画を実施している29カ国のほぼすべてが、計画継続を予定していたという。

 86年のチェルノブイリ事故から25年。
 原子力ルネサンス」の到来が叫ばれていただけに、原発先進国の日本で起きた福島原発事故の評価は、今後の国際的な原発政策の流れにも大きな影響を及ぼすことになる。


 どうもいい加減なことばかり。
 みえてくるのは、日本とアメリカが手を組み、意識的に「レベル6」を飛び越して、「レベル7」に決めてしまった構図だ。
①. チェルノブイリ事故に遠く及ばない
②. 混乱を避けるため
 つまり、最大級にしておけば、まず低めに評価したために受けるであろう
 非難を受けることはない

というような安易な決定が行われたような気がする。
 だが、評価されたほうは、繰り返すがタマッタものではない。
 手足をもがれたみたいなものだ。



朝鮮日報  : 2011/04/13 11:22:59
http://www.chosunonline.com/news/20110413000050

福島原発:日本政府、最悪の状況認めるのに1カ月
チェルノブイリと同じ「レベル7」に格上げされた意味

 日本政府が福島第1原子力発電所で発生した事故に対する評価を、チェルノブイリ原発での事故に匹敵する最高のレベル7にまで引き上げたことを受け、日本に対して情報提供と韓国による事故対応への参加を強く要求すべきという声が上がっている。

 ソウル大学原子核工学科の黄一淳(ファン・イルスン)教授は
 「どのような放射性物質がどれだけ放出されているのかについて、日本に対してしっかりと情報の提供を求めなければならない。
 それが分からなければ、今後、韓半島(朝鮮半島)にどのような影響が及ぶのか、知りようがない」
と述べた。
 とりわけプルトニウムのように半減期が長い放射性物質の漏えいについては、詳しい情報がなければ韓国としても今後の対応のしようがないということだ。
 黄教授は
 「レベル7というのは、国境を越えて被害が拡大し得るということを意味する。
 放射性物質が韓国にまで広がるのを遮断する作業に、韓国が直接参加できるよう強く要求すべきだ」
と訴えた。

 一方で別の専門家は
 「日本が事故レベルを引き上げることは、当初から予想されていた」
 「これは、韓国がさらに危険な状況に陥ることを意味しているわけではない」
などの見方を示している。
 韓国原子力研究院原子力安全研究本部のペク・ウォンピル本部長は
 「原発事故のレベルは現在の状況を意味するものではなく、すでに発生したことに対して評価するものだ。
 事故直後から放出された放射性物質の量が多かったという事実を、日本が今になって認めたと解釈すればよい」
 「福島第1原発から漏れ出した放射性物質は、事故直後が最も多く、今は減少している。
 放射能汚染の検査などに関しては現在、韓国で行われているレベルをさらに強化する必要はないだろう」
などと語った。

 ポステック(旧・浦項工大)機械工学科のキム・ムファン教授も
 「韓国の専門家は以前から、福島第1原発の事故は少なくともレベル6以上と考えてきた。
 事故直後の対応に追われていた日本が、今になって分析結果を発表したもので、レベルの引き上げそのものに大きな意味はない」
と述べた。

 専門家はさらに、福島第1原発の事故がチェルノブイリと同じレベルだとしても、被害についてはチェルノブイリほど大きくならないと分析している。
 ソウル大学原子核工学科のイ・ウンチョル教授は
 「チェルノブイリでは莫大(ばくだい)な量の放射性物質が一気に放出されたが、福島では燃料棒が徐々に溶融し、放射性物質の放出もゆっくりと起こっている。
 チェルノブイリには放射性物質の漏れを防ぐ格納容器がなかったが、福島にはそれがあるため、環境に及ぼす影響も比較的小さいだろう」
と予想した。

 米国は先月の事故発生直後、日本に居住する自国民に対して
 「原発から半径80キロ以上」
への避難勧告を出したが、当面はこれを維持することにした。
 米原子力規制委員会のヤツコ委員長はAP通信とのインタビューで
 「レベル7に引き上げられたが、(これはあくまで評価を見直したということであり)ここ数日間に重大な変化があったわけではない」
と述べた。

 一方米紙ニューヨーク・タイムズは11日付で、米国の原発専門家の意見として
 「日本が、これほど多くの放射性物質が漏れ出したことを1カ月も過ぎた今になって認めたことは、最も驚くべきこと」
と報じた。

■国際原子力事象評価尺度(INES)

 原子力施設やそれを利用する際に発生した事故を評価する尺度で、国際原子力機関(IAEA)が1992年に導入した。
 事故のレベルは8段階に区分されており、
 レベル0は安全に影響がない「軽微な異常(Deviation)」、
 レベル1~3は安全を脅かす「異常(Incident)」、
 レベル4~7 は放射性物質が放出される「事故(Accident)」
として分類されている。




中央日報 2011.04.13 09:09:44
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=139089&servcode=A00&sectcode=A00

東京電力 「放射性物質の放出は続く…チェルノブイリを超える可能性も」

フランスの原子力安全機関(ASN)が先月15日、
 「福島第1原発事故は‘6等級’水準」
と発表し、米国の科学国際安全保障研究所(ISIS)も同日、
 「レベル6またはレベル7」
という公式見解を出した状況でも、日本政府は事態の縮小に汲々としていた。
 これに関し、朝日新聞はこの日
 「(日本政府が)情報隠ぺいと事故縮小の疑惑を受けることになった」
と指摘した。

日本政府は12日、
 「現在は1時間当たり放出量が(初期の1万分の1水準の)1テラベクレル以下になった」
とし
 「今までの放出量も、520万テラベクレルにのぼるチェルノブイリと比較すると、10分の1にもならない」
と強調した。

しかし東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理はこの日、
 「事故の様相は違うが、放射性物質の放出量で見た場合、チェルノブイリ事故に匹敵、あるいは超えるかもしれない」
と懸念を表した。

日本経済新聞は12日、
 「今回発表された推定値はすべて大気中での放出量であり、海水への流出などを考慮すれば放出量は発表値を上回る可能性がある」
と報じた。

菅直人首相はこの日の記者会見で、
 「政府全体では分からないが、少なくとも私に入ってきた情報を都合が悪いからといって隠したりしたことはない」
と述べた。

一方、福島第一原発30キロ外の土壌と植物から、放射性物質のうちヨウ素とセシウムより致命的なストロンチウムが検出されたと、共同通信が12日報じた。
 福島第1原発から30キロ離れた海でも基準値を超えるヨウ素など放射性物質が検出された。
 これはますます海の汚染範囲と濃度が拡大していることを示していると、共同通信は伝えた。



 これからは、お上の指示に從い、反発することを許されず
 ヒツジの群れのように歩まねばならない。
 それしかスデがなくなってしまった。


朝鮮日報  : 2011/04/13 11:25:05
http://www.chosunonline.com/news/20110413000053

福島原発:事故評価「レベル7」、避難区域拡大
30-50キロ圏の地域も計画的避難区域に

 福島第一原子力発電所で事故が発生してから1カ月が経過した12日、事故の深刻度を示す国際原子力事象評価尺度(INES)の暫定評価を、日本政府が「レベル5」から最も深刻な「レベル7」に引き上げた。
 レベル7は、史上最悪の原子力災害といわれる旧ソ連のチェルノブイリ原発事故と同じレベルだ。

 日本政府は先月18日、事故評価をレベル5と指定した。
 その後、放射性物質が大気中に大量に放出され、汚染水が海に流れ込むなど事態が悪化したにもかかわらず、評価は変えなかった。事故当初から、フランス原子力安全局(ASN)局長など海外専門家は、福島原発の事故が米スリーマイル島の事故(レベル5)とチェルノブイリ事故(レベル7)の中間のレベル6に該当すると診断していた。

 日本の原子力安全委員会は先月11日から12日にかけて、福島第1原発から大気中に放出された放射性物質の量を63万テラベクレル(1テラは1 兆)と推定。チェルノブイリでの事故で放出された520万テラベクレルの10%水準だ、と日本政府は説明している。
 しかし、国際基準は外部への放出が数万テラベクレルの場合、レベル7と規定している。
 また、福島第1原発事故は現在も進行中のため、放射性物質の放出量がチェルノブイリと同レベルにまで増える可能性もある。
 東京電力の松本純一原子力・立地本部長代理は12日の会見で「放出量がチェルノブイリ原発事故に匹敵するか、または超えることが懸念される」との認識を示した。

 日本政府は事故評価を引き上げた後も
 「事故に対する評価を変えただけで、追加の対策はない」
 「チェルノブイリとは違う」
などと説明している。
 これに対し読売新聞は、INESのレベルは単なる数字ではなく、健康や環境への影響の程度を意味しているとし、今後はがんや白血病の発生率などを注意深く見守っていく必要があると指摘した。

 日本政府は、公式には事故評価の引き上げに伴い特別対策を講じることはないとしているが、実際には避難指示区域を拡大している。
 これまで避難区域に入っていなかった福島県飯舘村も計画的避難区域に指定され、住民が避難準備に追われている。
 飯舘村は福島第1原発から北西に半径30-50キロ圏にある。





朝鮮日報 : 2011/04/13 11:27:26
http://www.chosunonline.com/news/20110413000056

【社説】「レベル7」に達した福島原発が与える警告

 日本経済産業省の原子力安全・保安院が、福島第1原子力発電所で発生した爆発事故から1カ月の経過した12日、国際原子力事象評価尺度(INES)の暫定評価を、最悪の重大事故を意味する「レベル7」に引き上げた。
 これまでに世界が経験した同レベルの事故は、1986年に旧ソ連で発生したチェルノブイリ原発事故が唯一だ。

 日本当局は、原発事故が発生してから1カ月たっても、放射性物質の放出を食い止めるどころか、原子炉内部の状況さえもきちんと把握できず、あたふたしている。
 東北地方では今月7日にマグニチュード(M)7.1の余震が発生し、宮城県の女川原発で使用済み核燃料貯蔵プールの冷却機能が1時間ほど失われた。
 11日にもM7.0の余震で福島第1原発1-3号機の外部電源が落ち、原子炉を冷やすための水の注入が50分にわたり中断された。
 これらの原発は3月11日の大地震で地盤が沈下し、設備が脆弱(ぜいじゃく)になっており、再び大地震が発生すれば何が起こるか分からない。

 チェルノブイリ原発事故では、原子炉1基が爆発したが、福島第1原発は原子炉4基が炉心溶融やそれに近い状態になっている。
 放射性物質が蒸気や流出水に混じり原子炉から漏れ出す段階を超え、チェルノブイリ事故のように格納容器の中の放射性物質が一度に吹き出す事態までを念頭に置かなければならない状況だ。
 原子力専門家たちは、チェルノブイリ原発事故により4000人ががんを発症したか、今後発症すると見込んでおり、被害地域をさらに広範囲で見ると、がん患者は3万4000人から14万人ほどに達するとの主張もある。
 事故から24年が経過した昨年、チェルノブイリを訪れた本紙記者は、爆発した原発から10キロ離れた場所で、自然放射線量の100倍の放射線濃度を確認した。

 日本は福島第1原発1号機が水素爆発を起こした直後の3月12日、事故評価をレベル4と発表したが、フランスが
 「低くてもレベル5で、レベル6まで進む可能性もある」
と指摘すると、同18日にレベル5に引き上げた。
 それを今回、レベル7に再び引き上げたというわけだ。
 また、米国が事故当初、廃炉を覚悟で海水を注入し原子炉を冷やすべきだとして技術支援を申し出たが、日本側はこれを拒んだ。
 日本による不透明な原発運営、柔軟性のない対処方法が事故を災難に拡大させたことになる。

 福島第一原発は海抜約10メートルで、5.7メートルの防波堤を設置していたものの、15メートルを超える津波により原発の建屋2階までが浸水し、非常用発電機が機能しなくなった。
 このため、非常用炉心冷却装置を動かせず、炉心溶融を招いた。
 釜山の古里原発は海抜7.5メートルに位置している。
 各原子炉に2台ずつ備わっている非常用ディーゼル発電機は、いずれも地上1階の高さにある。
 日本の半分の高さの津波が来ただけで、無用の長物になる可能性が高い。
 韓国の原子炉が、津波や地震に持ちこたえるため何を至急補強しなければならず、また根本的な備えとして何が必要か、早急に把握する必要がある。





== 東日本大震災 == 



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