2011年4月12日火曜日

政府が無能か、国民が無能か

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朝鮮日報 : 2011/04/12 11:26:37
http://www.chosunonline.com/news/20110412000051

【コラム】それでも政府を信じる日本人

 東京では最近、桜が満開だ。上野公園など都内各地は多くの花見客で久々に活気を取り戻している。
 上野動物園も、中国からやって来たパンダを一目見ようと子供たちで賑わっている。
 例年、この時期に日本各地で行われる夜桜見物は自制されているものの、町全体が少しずつ本来の姿を取り戻しつつある。
 水道水が放射能で汚染されているとのニュースが流れた直後、一時はスーパーなどから消えた水も、今では普通に買えるようになった。
 品薄状態が続いていたカップ麺やティッシュなどの日用品も再び店頭に並んでいる。
 自発的な節電運動が拡大し、東京の夜には以前ほどの華やかさはないが、路地裏の居酒屋には若い男女の笑い声が帰ってきた。
 被災者を意識して節約ばかりするのは、逆に復旧の妨げになるという認識も徐々に広まり、デパートや商店街などでは買い物客が増え始めている。

 市民は普段の生活を取り戻しつつある一方、不安な日々は相変わらず続いている。
 3月11日に発生した大地震以来、マグニチュード5以上の余震がすでに400回以上発生している。
 テレビ画面には1日に何度も地震速報が映し出され、実際に余震でビルが揺れることもある。
 そのたびに
 「このままではビルが崩壊するのではないか」
という、当時の悪夢がよみがえってくる。
 野菜や魚から放射性物質が検出されたというニュースが流れると
 「何を食べればよいのだろう」
という不安が頭をよぎる。

 欧米のマスコミが「人類精神の進化」とまで称賛する日本の市民意識は何に由来するのだろうか。
 現場を目の当たりにした記者が下した自分なりの結論は
 「政府への信頼
だ。
 外国人からすると、日本政府による危機管理能力はまさにゼロだ
 災害現場からは「寒い」「水や食料がない」といった嘆きが聞こえてくるにもかかわらず、安全点検という名目で、救護品を積んだ輸送車の通行さえ遮ってしまう行政、大型タンカーを1隻も準備できず放射能汚染水を海に放出する無謀さ、救護車さえ動けないほどのガソリン不足でも、政府の備蓄は放出しない融通のなさ、情報が共有されず、閣僚が互いに抗議し合う省庁間の利己主義-。

 政府のこのような情けない姿に、日本人はもちろん怒りをあらわにしている。
 だがそれでも政府の発表を信じ、指示通りに動く。
 政府が「健康に異常はない」と言えば、市民は原発のある福島県の野菜や魚を食べる運動まで始めた。
 市民の自発的な節電で、大停電の危機も克服した。
 インターネットでは菅直人首相の無能さが厳しく批判されている反面、支持率は逆に10%も上昇した。
 一方で外国人は、日本政府の発表そのものを信じていない。
 事務所を大阪や、香港など海外に移転する外国企業も多い。
 日本にいるというだけで恐怖を感じ、数千万円の損失を甘受して帰国に踏み切った外国人プロ野球選手のニュースも報じられた。

 日本国民も外国人ほどではないが、不安を感じているのは同じだ。
 しかし危機を克服するためには、無条件に政府の言うことを信じ、その指示通り動かなければならないと考えているようだ。
 これは
 政府がいくら無能であっても
 国民を欺くようなことはしない、という信頼感
があるからこそなのだろう。


 政府というのは、国民の投票で選ばれた人によって運営されているのが基本だろう。
 政府を信用しないということは、自分が選んだ人物を信用しないということにならないだろうか。
 なら、信じられる人を国会に送ったらどうなのだろうか
 そうすれば、信じられる政府が出来るのではないだろうか。
 なぜ信じられる人を選挙で国会におくりこまないのだろうか。
 もし、それをしないのなら、国民が無能ということにならないだろうか。
 成人には一票の投票権があるはずだが。
 どうも、民主主義を履き違えていないだろうか。




[◆ その後の話]

 これ、絶対に面白いという記事。
 なぜゴジラが生まれたか。


中央日報 2011.04.14 15:59:13
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=139149&servcode=100&sectcode=120

【時視各角】あきれる“放射能怪談”



 日本が福島原発事故の評価をチェルノブイリ級に引き上げた。
  「レベル7」の放射能流出も恐ろしく、「レベル7」水準の情報隠蔽もあきれる。
  問題は放射能よりも怖い放射能恐怖だ。
  ‘放射能怪談’が猛威をふるうのは目に見えている。
  すでにインターネットでは「チェルノブイリ怪物」の写真が次々と登場している。
  4メートルのナマズ、ヘビのように太くて長いミミズ、子牛ほどのネズミ…。
 不気味な写真の下には
 「チェルノブイリの放射能を浴びて突然変異を起こした
と親切にも説明まで付いている。
 事実であるなら、考えただけでもぞっとする。

 まず真実が明らかになったのは怪物ネズミの写真だ。
 中国美術大学院生が卒業作品として制作した模型であることが分かった。
 誰かが‘チェルノブイリネズミ’として包装し、インターネットに載せて始まったのだ。
 放射能ミミズも同じだ。
 チェルノブイリではなく、もともとオーストラリアと南米に生息するジャイアントミミズだ。
 普通1メートル、最大3メートルまで育つ
 放射能恐怖を煽ろうと美術作品を放射能ネズミに変身させ、ミミズについては原産地を偽ったのだ。
  いたずらとはいえ、度が過ぎる。
 こうした影響で近所のスーパーのワカメやコンブまで品切れになっている。

 ‘チェルノブイリ怪物’についてソウル大生命科学部の李俊浩(イ・ジュンホ)教授は
 「対応する価値もない写真」
と述べた。
 李教授は約20年間にわたり数多くの突然変異実験をしてきた専門家だ。
 李教授は
 「動物の突然変異は一部の染色体に異常が生じるだけであり、すべての組織が3-4倍ずつ大きくなるケースは発生学的に不可能」
と述べた。
 李教授は「常識的に考えてほしい」と語った。
 史上最悪の放射能被爆事態はチェルノブイリではなく原爆が投下された日本の広島と長崎で発生した。  李教授は
 「広島で身長5メートルの人間が生まれたのか」
 「長崎でゾウのようなネズミが発見されたか」
と問い返した。

 4メートルのナマズも全く意味が違う。
 淡水魚の権威者、中央内水面研究所のイ・ワンオク博士は
 「もともとチェルノブイリ周辺のドニエプル川に生息する大型ウェルズナマズの一種」
と説明した。
 ウクライナ・スペイン・英国などでは2-3メートル級のナマズがよく見つかっている。
 昨年、韓国でも1メートルを超えるナマズ3匹が発見された。
 イ博士は
 「最高捕食者のナマズは乱獲されず、50年以上も生きれば当然、体が大きくなる」
と述べた。
 また
 「チェルノブイリナマズの映像に登場するコイに注目してほしい」
と伝えた。
 普通のコイに比べて2、3倍ほど大きい。
 25年間、チェルノブイリ一帯は人間の出入りが禁止され、魚には最高の生息環境が提供されたのだ。
  突然変異と見るよりも正常発育ということだ。
 イ博士は
 「チェルノブイリナマズは放射能の被害者ではなく、むしろ放射能恐怖の受恵者と考えるのがはるかに科学的」
と分析した。

 国内インターネットメディアを中心に「チェルノブイリ怪物」写真がろ過なく広まっている。
 知らなければ無知であり、専門家に確認さえしなければ職務遺棄と変わらない。
  最も気になるのは、誰が、何の意図で怪談を広めているかだ。
 牛海綿状脳症(BSE)事態以降、韓国社会は天安(チョンアン)艦事件、放射能恐怖まで周期的に病んでいる。
 根拠のない映像一つで社会全体が混乱する。
  チャールズ・マッケイは『狂気とバブル』で
 「群衆は一度ずつ集団的に狂い、途方もない費用を支払った後に自覚を取り戻す」
とした。
 私たちの社会も迷妄の罠にはまっている感じだ。
 次第に集団的狂気の周期は短くなり、振幅は大きくなっている。
 専門家の言葉も全く効果がない雰囲気だ。
 これではいつ絵の中の始祖鳥が「チェルノブイリスズメ」に変身するか分からない。
 映画の中の「ゴジラ」までが「福島放射能猿」にされないか心配だ。
 私たちがしっかりとしなければいけない。
  どちらが正しいかを判断するにも勇気が必要だ。
  知が力なのか、無知が薬なのかさえ分からない世の中になっている。




 ゴジラとは「福島放射能猿」の変名であったとは。
 以前、ミネルバ事件があった。
 其の次はアメリカ産牛肉の「ロウソク騒動」
 そして「放射能怪談」
 これ、国民の無能というより、国民の無知なのかもしれない。




== 東日本大震災 == 



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