2011年4月15日金曜日

ガレキと汚染水

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● ガレキは北太平洋上にたどり着くとの予想(IPRCのウェブサイトより)


 ガレキは。


JCASTニュース 2011/4/13 19:52
http://www.j-cast.com/2011/04/13093020.html

震災のガレキ1年後にハワイに漂着 
3年後米国西海岸、という予測

 東日本大震災では、東北地方の太平洋沿岸地域で、多くの建物や車が津波で流されて大量のがれきと化し、今も被災地でうず高く積み上がったまま残されている。
 津波の「引き波」で海に流れ出した分も多い。

 太平洋上を漂うがれきは海流や風に乗って運ばれ、遠くハワイや米国西海岸に漂着するものもあるという。
 中には有害物質を含むものもあるようだが、回収方法を含めて有効な対策を打ち出せていない状況だ。

■潮目の状態で漂流物がたまりやすい

 震災で生じたがれきの量は、環境省の推計によると岩手、宮城、福島3県で2490万トンに上る。
 このうちどのぐらい海に流れ出したかは、環境省でも把握していないと話す。
 重いものは海の底に沈んだと考えられるが、木材をはじめ軽量であれば海を漂っているはずだ。
 一部報道では、長さ111キロにも及ぶ巨大な漂流群を形成しているという。

 この「塊」はどこへ向かうのか。
 ハワイ大学マノア校にあるIPRC(国際太平洋研究センター)は2011年4月5日、がれきの漂着先に関するシミュレーションの結果を発表した。
 それによると、日本の沿岸を離れたがれき群は海流にのって北太平洋を進み、1年後には北太平洋の中央付近にある「北太平洋ゴミベルト」と呼ばれる場所に到達するという。

 海洋のゴミ問題を研究する一般社団法人「JEAN」に聞くと、この「ゴミベルト」は、潮目の状態で漂流物がたまりやすい場所を指すのだという。
 常に洋上に「ゴミの島」が浮かんでいるわけではないが、流れ着いたゴミがあちこちに滞留している様子はよく見られるようだ。
 ゴミベルトの南側にはハワイがあり、がれきの一部はハワイ北西にもたどり着くとIPRCは見ている。

さらに2年後には、ハワイのほかの島にも漂着。
 残りは北米大陸に向けて進み、3年後には米カリフォルニアからアラスカ沿岸に到達するとの予測だ。

 太平洋の海流は「還流」だ。
 日本からハワイ方面に向かう北太平洋海流は、米西海岸にたどり着くと、今度はアジアに向けて南太平洋を逆方向に進んでいく。
 そのため、残りのがれきはそのまま流れに乗ってハワイ方面へ「戻る」形となり、2015年3月には「ゴミベルト」に流れ込むとIPRCは考える。

■被災地復興最優先で海洋まで手が回らない

 海洋のゴミ問題は、長年議論されている。
 震災によるがれきは故意に投棄されたものではないが、あまりにも大量であり状況は深刻だ。
 しかし、漂流するがれきに対する対策は、現時点では「検討中」(環境省)。
 震災による人命救助や被災地の復興が最優先で、海洋のがれき処理にまで手が回らないのが実情だろう。

 前出の「JEAN」は、「がれきは、すべてがひとつに固まって漂流するわけではなく、長い距離を進むうちに拡散していきます」と説明する。
 「北太平洋ゴミベルト」に漂着するころには、現在よりも分量は減っていることが予想される。
 だが、生活品のあらゆるものが流されており、中には油性の廃棄物や化学品のように有害物質を含んでいるものもあるだろう。
 海洋汚染や生態系への影響は心配だ。

 スマトラ沖地震の際も、大量のがれきが海に流出したと想像されるが、JEANによれば日本への直接的な被害は報告されておらず、海外でも大きな問題としては扱われなかったという。
 しかし今回は、住宅から車、電化製品、家具などスマトラ地震の時とは比較にならないほど多種多様のモノが流れ出した。
 日本発」のがれきが世界中の海に与える負荷を考えると、なんらか対応が必要なのかもしれない。



● 太平洋の海流



asahi.com 2011年4月16日19時46分
http://www.asahi.com/national/update/0416/TKY201104160248.html

がれき総量580万トン、処理に3110億円 岩手知事

 岩手県の達増拓也知事は16日、震災で生じたがれきなど廃棄物の総量を580万トンと推計し、処理費用に3110億7千万円を見込んでいると明らかにした。

 3月には倒壊家屋数から380万トンと試算したが、家屋以外の建物や津波で流れ込んだ泥の量などを含めたため、200万トン増えた。県資源循環推進課によると、580万トンは県内で排出される一般廃棄物の12年分にあたる。

 県は全量を年内に集める方針で、一時保管用地3平方キロメートルの4割を確保したという。
 処理には3~5年かかるとみている。






 汚染水は。


テレビ朝日 2011/04/13
http://www.youtube.com/watch?v=8jRnVINreC8&feature=player_embedded#at=28

【原発】汚染水拡散予測映像を文部科学省が公表







● 文部科学省の汚染水拡散のシュミレーション




中央日報 2011.04.13 14:27:52
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=139105&servcode=300&sectcode=300

福島の海水、韓国に到達するのに5年

水産物受難時代だ。
 春の産卵を控えて脂がのった旬の魚でさえ‘冷遇’を受けている。
 福島原発事故のためだ。
 国立水産物品質検査院は先月末から、日本産水産 物が輸入される度に放射能検査を行っている。
 韓国の漁船が遠海に出て獲る遠洋海産物4種(タラ・マグロ・サメ・サンマ)も同じだ。
 密売をしない限り放射能 に汚染された輸入海産物が流通する可能性はない。

しかし海は一つだ。
 仕切りがない。
 福島原発で放射能汚染水が放流された後、消費者は「汚染された日本の海水・魚類が韓国側に来るのではないか」とし、国産 の水産物まで避けている。
 専門家はこれに関し
 「海流・魚種別の特性を考慮した場合、当分、放射能汚染海産物が私たちの食卓に上がる可能性はきわめて低い」
と話す。
 「今年の秋に東海(トンヘ、日本名・日本海)で獲れるイカと3-4年後に回帰するサケ程度がモニター対象」
という。

福島近海では日本の東海岸に沿って南下するクリル海流(日本名・親潮)が流れている。
 この海水は千葉県付近で黒潮海流とぶつかり、東太平洋側に流れて米西 海岸まで到達し(北太平洋海流-カリフォルニア海流)、韓国側に戻ってくる(北赤道海流-黒潮-対馬暖流)。国立水産科学院水産海洋総合情報課のイ・ジュ ンス博士は
 「海水がこのように回るのに5年以上の時間がかかる」
とし
 「韓国に到達する頃には放射性物質濃度が低くなっている」
と述べた。

  汚染した海水が韓国に直接くる可能性が全くないわけではない。
 クリル海流の一部は黒潮とぶつかる過程で冷水渦に移る。
 これは2年ほどで沖縄海域を経て南 中国海(南シナ海)に到達する。
 しかしイ博士は
 「冷水渦のほとんどが強い黒潮海流に引き込まれてまた日本側に向かう。
 韓国沿岸に影響を与えるのはごく一 部」
と説明した。

  一部の魚類が海流に関係なく韓国に来る可能性もある。
 しかしこの場合、次の条件を満たさなければならない。
 まず周期的に海を移動する回游魚種でなければならない。
 日本で基準値以上の放射性物質が検出されたコウナゴは韓国-日本間を行き来することはない。

  2つ目は、回遊経路が韓国沿岸を通過しなければならない。
 サバ・タラは回遊魚種だが、韓日間では系群がはっきりと分離されている。
 同一種だが、産卵場が異なり、回遊経路が違う。
 「日本側サバ・タイが韓国沿岸で獲れる可能性はほとんどない」
というのが専門家の説明だ。

  3つ目は、成魚でなければならない。
 稚魚は海流を逆行する力がないからだ。
 クロマグロの成魚は福島の海水が流れる太平洋で回遊する。
 この大半は日本側で漁獲される。韓国で獲れるのは台湾付近の産卵場で生まれ、海流に乗って北上した50センチ以下の稚魚だ。

専門家はこうした理由から「注目が必要な魚種」にスルメ・サケを挙げている。
 日本側のイカの一部は9-11月、津軽海峡を通って西側沿岸に越えてくる。
 サケは母川回帰魚種であり、3-4年後に太平洋を経て韓国に戻る。

しかし水産科学院資源管理課のイ・ドンウ課長は
 「日本の西側沿岸に来たイカも日本の排他的経済水域(EEZ)内で南下するため、韓国漁船に漁獲される可能性は低い」
と述べた。






YOMIURI ONLINE 2011年4月7日21時32分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110407-OYT1T00767.htm

 東電福島第一原発のタービン建屋地下などにたまる高濃度の放射性物質を含む水の浄化に仙台市青葉区愛子(あやし)で採れる鉱物「天然ゼオライト」が有望であることを日本原子力学会の有志らがまとめ、7日発表した。

 研究チームは、同学会に所属する東北大など5大学と日本原子力研究開発機構の計59人。
 福島第一原発で、難航する高濃度汚染水の処理の一助になればと、自主的にデータを集めた。

 実験の結果、表面に微細な穴の多い「天然ゼオライト」10グラムを、放射性セシウムを溶かした海水100ミリ・リットルに入れて混ぜると、5時間で約9割のセシウムが吸着されることを確認した。



 ゼオライトとはなにか、Wikipediaより。




 沸石(ふっせき,zeolite)とは、アルミノケイ酸塩のなかで結晶構造中に比較的大きな空隙を持つものの総称である。
 天然に産する鉱物のグループ名でもあるが、分子ふるい、イオン交換材料、触媒、吸着材料として利用されるため、現在ではさまざまな性質を持つ沸石が人工的に合成されており、工業的にも重要な物質となっている。

 工業的に利用される場合は、しばしば英名のままゼオライトと呼ばれる。
 成分に含まれている水とアルミノケイ酸骨格との結びつきが弱いため、加熱すると容易に水を分離して沸騰しているように見え、このことからギリシャ語のzeo(沸騰する)とlithos(石)を合わせてzeoliteと名付けられた。


 つまりゼオライトとはオングストローム単位の極微小・連続空洞をもっている石のようである。
 軽石の濃縮版のようなものらしい。


ゼオライトとは?
http://www.cyber-reps.com/beint/zeolite1.html

 天然ゼオライトは、太古の昔火山活動によって生じた火山灰が堆積し、地殻変動によって大きな変圧を受け、約500万年から1000万年の長い年月をかけて生成したケイ酸アルミが主体の多孔質鉱石で、邦名を沸石といいます。
 1gあたりの比表面積はおよそ350m2という広大な面積を有します。

 保有する空洞に有害ガスやホルムアルデヒド等の化学物質を吸着!
 現在問題になっているシックハウス症候群を防ぎます。




ゼオライトとは
http://www.s-zeolite.com/zeolite.html

【ゼオライトの効果】
● 脱  臭   ゼオライトの持つ空洞が、様々な臭気ガスを分子レベルで吸着します。
 (ガス吸着)  アンモニア吸着は一般的な活性炭よりも優れています。
● 吸 放 湿  空気中の湿気を吸ったり吐いたりと呼吸します。
● 吸  水  自重の60~80wt%と非常に高い吸水能力を持っています。
● 土壌改良  窒素・リン・カリウムを吸着し、土壌の保肥力を改善します。
● 水質浄化  イオン交換作用により、水中の重金属イオンやアンモニアイオンなどを吸着し、
水を浄化・軟水化します。
● そ の 他  吸着、分子篩(ぶんしふるい)機能、環境触媒機能など。

 また、使用済みのゼオライトは土に還り、再び自然環境においてその力を発揮します。
 この優れた機能性材料は、複合化技術などにより、今後ますます効果が期待されます。

● 原石


● モルデナイトの結晶構造


● 鉱山



 また。


毎日.jp 2011年4月15日(金)10時35分配信
http://mainichi.jp/select/science/news/20110415k0000e040015000c.html

<放射性物質>顔料使ってセシウム汚染水浄化 東工大が開発

 医薬品などに使われる市販の顔料で、原子炉から発生する放射性物質のセシウムに汚染された水を浄化する技術を、東京工業大原子炉工学研究所長の有冨正憲教授(原子力工学)らのチームが開発した。
 東京電力福島第1原発の事故で発生している汚染水の処理のほか、周辺の池や沼の浄化にも活用できるといい
 「一日も早い地域の生活、農業再建に役立てたい」
としている。

 チームは、青色顔料の一種「紺青」の主成分「フェロシアン化鉄」に、セシウムを吸着する働きがある点に着目。
 汚染水にこの顔料を混ぜ、遠心力で分離した後、セシウムとともにフィルターでこし取るシステムを開発した。

 実験では、化学的な性質が同じで放射線を出さないヨウ素、セシウム、ストロンチウムを海水に混ぜ、同原発の高濃度汚染水に相当する模擬汚染水(ヨウ素、セシウム各10ppm=1ppmは100万分の1)を再現。
 模擬汚染水100ミリリットル当たり顔料1グラムを入れたところ、処理後の水から検出されたセシウムの濃度は1万分の1以下となり、ほぼ100%除去できた。

 ヨウ素とストロンチウムは除去できないが、ヨウ素は半減期が8日と短いため問題は小さく、ストロンチウムもセシウムに吸着する性質を使って除去率を上げることは可能だ。

 泥水の浄化などに使われる既存の可動式装置を使えば毎時最大300リットルを処理でき、処理後の水は原子炉の冷却水に再利用する方法が考えられるという。

 有冨教授は
 「福島原発で発生している汚染水に適用が可能だ。土壌の浄化にも応用したい。日本の科学の英知を合わせて復興に取り組むべきだ」
と話す。





== 東日本大震災 == 



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